最近は、育児関連の本を読むことが増えたのですが、その類の本の種類が多いといったら・・。
”モンテッソーリ教育”や”才能を伸ばす子育て”などの、いわゆる”教育本”にも興味があり、ゆくゆくは読みたいと思っているのですが
まずは「子どものからだの仕組みを理解して、出来るだけ丈夫で健康なからだをつくってあげること」が親の大事な務めではないかと考え、この本に行きつきました。
本書【子どもにいいこと大全】は、子どものからだを理解するのに大変役に立ちました。
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一言でいってしまえば”子どもの自律神経をととのえましょう!”という本です。
子どもの健やかな成長発達を促すためには、自律神経の理解が欠かせません。
『子どもに健康であってほしい』『主体的な子に育ってほしい!』と、いくら親が願っても、子どもの自律神経がととのっていなければ、それは不可能なのです。
本書の中では、小児科医・内科医の監修による”子どもの自律神経をととのえる習慣”が62の項目でまとめられています。
私が本書をおススメできる理由は以下です
- 実践するといい生活習慣について、どんなメリットがあるのか、どういう理由で自律神経に効果があるのかが分かりやすく書かれていて、理解しやすい。
- すぐにでも生活に取り入れられそうなものが多い。
- 本来は自律神経を崩しがちな(すでに崩れている)幼児〜小学生のお子さん向け。
- 早くから実践することで子どもの自律神経を早期からととのえられる。
なぜ子どもの自律神経をととのえることが大切?
自律神経は健やかな成長を促すための最重要装置
自律神経とは”内臓や代謝、体温といった体の機能を24時間体制でコントロールする神経”のことです。
この自律神経が働いていなければ、人間は生きられないということになります。
自律神経は各臓器の働きを直接コントロールするため、自律神経が乱れると”頭痛・腹痛・腰痛・めまい・肩こり”などの体の不調が起こりやすくなります。
それだけでなく、自律神経は脳やホルモンとも密接にかかわっているため、自律神経が乱れると暴飲暴食・夜更かしをしたり、心が不安定になったり、キレやすくなったりします。
自律神経は、生活環境が急に変わったり、生活リズムが乱れたり、ちょっとしたきっかけで乱れやすいものでもあります。
逆に言えば『いつもの生活を少し見直すだけで改善できる』のも特徴だといいます。
子どもに”いいこと”が沢山ある
自律神経がどれだけ重要な働きをしているかが分かると、自律神経をととのえる習慣=心と体に良い習慣ということが理解できます。
子どものうちから自律神経をきたえることで、
子どもにこんな”いいこと”が起こります!
- 健康になる(大人になってからの健康にも影響する)
- 子ども自身で体の不調が分かる(訴えられる)ようになる
- 大人が口出ししなくても夜になったら眠り、きげんよく起きられるようになる
- ご飯を、ちょうどいい量・しっかり食べるようになる
- 集中力があり、自主的に学習する子になる
- 愛情や幸せをしっかり受け止められる子になる
本書の監修医である小児科医で発達脳科学者の成田先生と、内科医で漢方や自然療法を扱っている石原先生も、育児を経験した母親でもあります。
成田先生の”子育てコラム”には、こんなことが書いてありました。「子育てのゴールは、子どもの自立です。
自分で考え、選んで行動できるようになること。」成田先生は、娘さんに「勉強しなさい」と言ったこともなければ、塾にも通わせたことがないそうですが、娘さんは自発的に朝学習をし、希望の大学に入学されたそうです。
自律神経をきたえるのは、親の一番の仕事といっても過言ではないのです。
自律神経は何才からでもきたえられる
現代は、自律神経が正常に働かない子どもが増えているそうです。
しかし、自律神経は何才からでもきたえられる!!と言います。
本書の中では、このようなチェックリストで今のお子さんの自律神経の状態をチェックできるようになっています。
自律神経をきたえるためには”さまざまな刺激を浴びること”が重要です。
昔ながらの生活であれば、ことさら意識をしなくても刺激を受けることができました。
ところが、便利で快適な環境が整えられている現代では”親が適切な刺激を子どもに与えてあげること”も大切なのだと言います。
私たち親に求められること
- 五感への刺激をたっぷり与えてあげること
- 生活リズムを整えること
この2つを意識すれば、自律神経は何才からでもきたえ直すことができます。
まず身につけたい”基本の生活習慣”
子どもたちに必要なのは「夜はぐっすり眠って、朝はシャキッと起き、おなかがすいてごはんを食べ、外で体を動かして遊ぶこと」
こうした生活を送れば、自律神経も自然ときたえられ、体も脳も順調に育っていくのだと言います。
睡眠
「ぐっすり眠り、すっきり目覚めるための習慣9つ」
子どもにとって、特に大切なのが、睡眠です。
本書では、まさに「睡眠ファースト」の育児を推奨しています。
なぜかというと、1日を機嫌よく過ごすための土台は「睡眠」にあるからです。
そして、そのカギとなるのが”太陽からの光刺激”
朝は一番に窓を開けて朝日を浴び、外の空気や温度を感じることで自律神経が強化されるそう。
- 朝は6時に起きて朝時間を活用!
→家を出るまでの朝時間がたっぷりあることで交感神経が優位に切り替わる
→頭がクリアだから何をやるにも集中力があって吸収力が高い - 早起きが苦手な子には「朝ミッション」を!
→小さなお手伝いを頼むことで子どもの早起きのモチベーションになる
→大人に頼まれることで「役に立っている」と思え、自尊心が高まる - 4才以降は昼寝をさせず夜の睡眠を大事に!
→「朝になったら活動し、夜になったら眠る」という体内リズムが完成する頃
→夜に連続して深い睡眠をとれるようになり1日のパフォーマンスが向上 - 睡眠が大事なわけを子どもに教える
→子どもの夢や目標にからめて睡眠の重要性を教える
→睡眠が大事と子ども自身が理解して自分から布団に入るようになる - 寝る1時間前からはテレビやスマホは見せない
→幸せホルモン「メラトニン」の分泌を邪魔する光刺激をシャットアウト
→眠りの質がよくなりぐっすり安眠できる
女の子の場合、乳幼児期からメラトニン不足が続くと、早発月経の原因になることも知られているそう。
食事
「朝から食欲モリモリになれる習慣11」
自律神経が乱れていると”正常な食欲がわきにくい”と言います。
西洋には、こんな面白いことわざがあるそう。
「朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者にように食べよ」
本書の中でも、朝ごはんは1日の活動のエネルギーとなり、朝型生活にシフトできるため「朝ごはんをしっかり食べる」ことを推奨しています。
- 朝は1杯の味噌汁
→たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が1品で摂れるスーパーフード
→味噌は冷えを改善する効果があり体をあたためる - 冷たいものはあたたかい場所で
→内臓の冷え過ぎを回避できる
→体の熱を上手に発散できる - 発酵食品を食べてハッピーホルモンを出す
→「セロトニン」や「ドーパミン」などのハッピーホルモンの9割は腸でつくられる
→腸内環境が整い、グズグズ・イライラが解消 - ”黒ごま塩”をごはんにふりかける
→食が細い子でもごはんがすすむ
→栄養価の高いごまで免疫力アップ&便秘解消 - 夕食は”食べさせたいもの”から食卓へ
→一気に食卓におかずを並べると食べたいものしか食べない
→食べむらが改善でき栄養バランスがよくなる - 糖質の多い食べ物をなるべく減らす
→血糖値の乱高下によるイライラが改善される、集中力がアップする
→糖質を燃やすためにビタミンが無駄に消化されずに済む
あまり気張りすぎず、自分の家庭に取り入れられそうなことからトライしていきたいですね。
その他
「体を動かして自律神経をきたえる習慣13」
子どもの運動不足も、自律神経の働きを鈍らせる一因だと言います。
- 1日30分、日光を浴びて体を動かす
→日光に当たることでビタミンDが合成され免疫力を上げる。骨や歯が丈夫になる。
→幸せホルモンのセロトニンがつくられ気持ちが安定しポジティブに。夜ぐっすり眠れる。 - マッサージでスキンシップ
→今日あったことを話しながら手足や頭をモミモミするだけで親子の距離が近づく
→愛情ホルモンのオキシトシンが分泌されリラックスできる - すき間時間の深呼吸
→「長く吐くことを意識」副交感神経が優位になり気分が落ち着く
→緊張した場面などで、いつでもどこでも実践できる
自律神経に効くツボや、ヨガのポーズなどもイラスト付きで紹介されていて、子どもと一緒に実践できると楽しそうだなぁと思いました。
他にも子どもに”いいこと”習慣
睡眠・食・運動以外にも、生活のちょっとしたことを見直すだけで自律神経を整える方法がまだまだあります。
- 朝10時の検温で正しい平熱がわかる
- 服の着せ方(腹巻き・レッグウォーマー・下着は綿100%など)
- 寝具(布団は横掛けにして足を出す)
- お風呂(41度のお湯に10分つかる。炭酸入浴剤を効果的に使う)
- アロマを取り入れる(アロマスプレーで目覚めすっきり、寝付けない夜にはアロマティッシュを枕元に)
どれも参考になりましたが、特にアロマで自律神経が整うメカニズムを知って、是非取り入れたいと思いました。
実践するときに意識したいポイント
これらの習慣を生活に取り入れる中で、私が”意識していきたい”と思ったポイントをまとめます。
できる限り「家族みんなで」実践する
当たり前ですが、子どもにとって親の普段の行動は、とても影響力があるものだということを理解しておかなければなりません。
親のお風呂の時間が短ければ、子どもは「お風呂はササっと入ればいい」ものだと思うし、お母さんがジュース好きだと「お母さんが飲んでるものが飲みたい」、そう感じるものですよね。
子どものために!と頑張るあまり、自分たちのことを二の次にして子どもだけにやらせるのは、子どもの不満を生み、逆効果になりかねません。
大人が自律神経が整う行動をしていると、子どももあたりまえのようにまねをするのだそうです。
「家族みんなで」というのは難しいご家庭も多いかと思います。
お母さん、もしくはお父さんどちらかだけでも、一緒に実践できるといいですね!
年齢によって生活リズムが変わることを理解する
子どもは成長していくので、それにともなって1日のスケジュールも調整していく必要があると言います
- 5才→何としてでも10時間の睡眠を確保。20時には寝て朝6時起床が理想。
- 7才→学童などで帰宅時間が遅くなるときは夜はシャワーで汚れを流すだけで朝風呂がおススメ(頭がスッキリ→宿題や勉強もはかどる)
- 9才→9時間の睡眠を確保する。テレビやゲームは寝る1時間前までと決めてルールを守らせる。
などなど、年齢に合わせて生活リズムも少しじつ変化していきます。
子どもがメリハリのある生活を送れるよう、親も柔軟に生活リズムを変え、適切なサポートをしていく必要があります!
「睡眠ファースト」は徹底する
1日のタイムスケジュールを決める上で何より大事なのは”朝起きる時間と夜寝る時間を決める”こと、そしてこれが出来るだけズレないように工夫することだと言います。
とはいっても、夜20時~21時頃に眠りについてもらうためには、夕飯をゆっくり食べてる時間がない・・という問題が発生しますよね。
本来であれば、寝る3時間前に夕食を終えるのが一番望ましいのですが、それだと17時か18時には準備して食べ始めないといけません。
それはさすがに難しい・・・というご家庭でも、以下のことを意識すれば大丈夫です!
- 優先すべきは夕食後3時間あけることよりも、夜20時~21時には寝かせること。
- 夕食後は寝るだけなので、消化のいい軽めのメニューで良い。(野菜スープ、おじややリゾット、にゅうめんなど)
- せいぜい寝る1時間前までに夕食を終えるよう意識すればOK。
夜は、胃に負担のかからない軽めのご飯を食べてぐっすり眠る。
前日に食べたものを消化しきった胃腸は「揚げ物やお肉もどんとこい!」状態なので、ハイカロリーなお肉料理や甘いスイーツなどは活動前の朝に食べる。
以上の3点を意識して、取り組んでいけたらなと思いました。
まとめ
「子どもにいいこと」とは「自律神経をととのえること」だというのが、よく分かる一冊でした。
早寝早起きや朝ごはんの重要性など、自律神経をととのえるということは、何も特別なことではなく、こんなにも普通なことなのかと驚きでした。
目新しい情報はありませんが、当たり前に出来ていることが何と少ないことか・・・(-_-;)反省です。
親の生活習慣は子どもの生活習慣に直結するということもよく分かったので、今から少しずつ自律神経に良い習慣を取り入れていこうと思います(特に早寝早起き!)
この習慣を身に着けられれば、子どもだけでなく家族全員健康間違いなし!!!
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皆さんも、できそうなことからお子さんと一緒に取り組んでみては如何でしょうか?
私も、子どもがある程度大きくなってから、また読み返したいと思います!